UMAI PIZA
∧
| \
| \
| 〇 \
|( § \
| 〇 > \
∈≡≡≡≡∋
________
| |
| 〇 |
| JAPON |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「罪は犯したくない。それでも『罪』を体験したいんだ」
彼の言っていることは、概ね理解できた。
リスクゼロでスリルを味わいたい、といったところだろう。若い頃のあの興奮をもう一度。と言っているようにも聞こえた。
「何にせよリスクは常に伴うと思うけどな」
一言だけ添えつけた。
しかし、それもリスクをリスクとして捉えているからにすぎないことは自分でもわかっている。
「そもそも」
彼はわかっているような口ぶりで続けた。
「"どこに"罪なんてあると思うのかい」
「ギルティなフードなんか最初から存在したか?だれが決めたのか?君はそこから疑いかからなくてはならないよ」
僕だってわかっている。その場の雰囲気で言っただけだ。
それでもその言葉が出てくるってことは少しばかり「この体に」悪いことだってわかっているから。そうなのかもしれない。
「そうさギルティフリー 僕だけ悪いわけじゃない」
喫茶店の音楽にしては珍しい、懐かしいロック音楽。
僕ら世代はおそらく知らないけど、子供の頃通っていた古本屋の店主がよく口ずさんでいた。
そういや、自分自身ももう社会の歯車になってから、けっこうな月日が経ったもんだな。
窓の外に立ち並ぶ、悠然とした高層ビルが目に入り、ふと思った。
社会にしてもフードにても、何が入ってるかなんて、未だによくわからない。
UMAI PIZA<br> ∧<br> | \<br> | \<br> | 〇 \<br> |( § \<br> | 〇 > \<br> ∈≡≡≡≡∋<br> ________<br> | |<br> | 〇 |<br> | JAPON |<br>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「またピザ食べに行こうぜ」
「だね。とびきりチーズ乗せよう」
深夜のピザはうまいもんだ。それだけは誰だって知ってる。